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論文

H atom, e$$^{-}$$, and H$$_6^{+}$$ ions produced in irradiated solid hydrogens; An Electron spin resonance study

熊田 高之; 牛田 考洋*; 清水 裕太*; 熊谷 純*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1318 - 1322, 2008/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.01(Chemistry, Physical)

近年、われわれは$$gamma$$線照射した固体para-H$$_{2}$$(p-H$$_{2}$$)中にH$$_6^{+}$$, p-H$$_{2}$$-HD, p-H$$_{2}$$-D$$_{2}$$混合固体中にそれぞれH$$_{5}$$D$$^{+}$$, H$$_{4}$$D$$_2^{+}$$のESR信号を見つけることに成功した。われわれはまた、H$$_6^{+}$$+HD$$rightarrow$$H$$_{5}$$D$$^{+}$$+H$$_{2}$$やH$$_6^{+}$$+D$$_{2}$$$$rightarrow$$H$$_{4}$$D$$_2^{+}$$+H$$_{2}$$などの、同位体置換反応の観測も行った。H$$_6^{+}$$は固体p-H$$_{2}$$をH$$_6^{+}$$+H$$_{2}$$ $$rightarrow$$H$$_{2}$$+H$$_6^{+}$$反応により拡散し、その拡散は自然同位体比で存在するHD分子とH$$_6^{+}$$+HD反応することで終息する。一方で、同位体置換体H$$_{5}$$D$$^{+}$$, H$$_{4}$$D$$_2^{+}$$, H$$_{2}$$D$$_4^{+}$$イオンは固体p-H$$_{2}$$中を拡散することができず、それらは捕捉電子と半減期5時間程度で対再結合することが判明した。

論文

Study on the reaction of chlorophenols in room temperature ionic liquids with ionizing radiation

木村 敦; 田口 光正; 近藤 孝文*; Yang, J.*; 吉田 陽一*; 広田 耕一

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1253 - 1257, 2008/10

 被引用回数:11 パーセンタイル:59.16(Chemistry, Physical)

Halogenated organic chemicals such as polychlorodibenzo-p-dioxin, polychlorobiphenyls and hexachlorobenzene are toxic pollutants characterized by persistence and accumulation to the body of aquatic animals. These pollutants are not readily treated by advanced oxidation treatments such as ozone/UV, ozone/hydrogen peroxide and so on. The ionizing radiation, however, is expected as a good technique for treating halogenated organic compounds because it can homogeneously and quantitatively produce reactive species that can oxidize target substances. Room temperature ionic liquids (RTILs) have unique properties such as nonvolatile, nonflammable, high polarity, and wide electrochemical window1). We paid attention to the combination method of ionizing radiation and RTILs as a new environmental conservation technology for the treatment of halogenated chemicals.

論文

Monte Carlo particle trajectory simulation for classification of C$$_{3}^{+}$$ cluster ion structure utilizing coulomb explosion imaging

阿達 正浩; 齋藤 勇一; 千葉 敦也; 鳴海 一雅; 山田 圭介; 金子 敏明*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1328 - 1332, 2008/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.05(Chemistry, Physical)

高速クラスターイオンは電子的な衝突を介して物質と相互作用する。このこととクラスターの多体衝突効果とを合わせて考え、電荷状態とクラスター構造との関係を明らかにすることで相互作用解明へとつながる知見が得られると期待した。そのためにわれわれはクーロン爆発イメージング法により拡大したクラスター構成イオンの相対位置と電荷状態を同時測定している。この方法で構造弁別するためには、薄膜内部での散乱や相対位置の拡大による相対位置のずれの度合いを評価する必要がある。そこで、直線構造と三角構造のそれぞれのC$$_{3}$$クラスターの薄膜透過後の軌道を計算するための粒子軌道計算コードを開発し、測定システムに対する評価を行った。このコードでは、拡大後の各イオンの位置の重心からの距離を用いて、原点付近で三角構造の割合が、周辺では直線構造の割合が高まるような平面上の点に変換する方式を考案して取り入れた。その結果、原点を中心とした円形領域を設定することで構造弁別の精度の評価が可能となり、直線構造と三角構造とをそれぞれ70%, 90%の精度で弁別可能な条件を見いだした。

論文

Radiation-induced luminescence from TiO$$_{2}$$ by 10-keV N$$^{+}$$ ion irradiation

北澤 真一; 山本 春也; 浅野 雅春; 齋藤 勇一; 石山 新太郎

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1333 - 1336, 2008/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:23.55(Chemistry, Physical)

二酸化チタン内部でのエネルギー移行を調べるために10keVのエネルギーの窒素のイオン照射による室温状態でのラジオ・ルミネッセンス(RIL)の研究を行った。二酸化チタン試料は、ゾルゲル法及び直接酸化法により作製した。紫外-可視領域のRILスペクトルには、結晶欠陥による可視光のバンドが2.0eVに、二酸化チタン結晶内のTi$$^{3+}$$ 3dとO$$^{2-}$$ 2s間の放射遷移による紫外光のバンドが2.0eVに観測され、ローレンツ曲線によるフィッティングにより解析した。二酸化チタンの結晶によるバンドギャップによる違いがバンドの強度比に現れないことから、RILは十分に大きなエネルギーによる励起状態から緩和されて生成した準位からの放射遷移によると考えられる。この研究により、二酸化チタンの励起・緩和過程の一部が解明された。

論文

DNA damage induced by the direct effect of radiation

横谷 明徳; 鹿園 直哉; 藤井 健太郎; 漆原 あゆみ; 赤松 憲; 渡辺 立子

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1280 - 1285, 2008/10

 被引用回数:53 パーセンタイル:94.95(Chemistry, Physical)

電離放射線の生体への照射により細胞内のDNAに、放射線のエネルギーの直接付与(直接過程)及び拡散性の水ラジカルとの反応(間接効果)を通じて化学的変化(損傷)が生じる。このような損傷は、突然変異などの放射線生物照射効果を誘発する主要な原因の一つとされている。われわれのグループでは、まだ不明な点が数多くある直接効果に着目し、モデルDNA分子として選んだプラスミドDNAに照射したときの1本鎖切断,2本鎖切断及び塩基損傷の収率の放射線の線質依存性を調べた。特に塩基損傷については、塩基除去修復酵素をプローブとして用いて定量した。さらに損傷生成の詳細を調べるため、放射光軟X線ビームラインに設置したEPR装置を用いて短寿命の塩基ラジカルを測定した。これらの実験データを過去に報告されているデータと比較し、直接効果によるDNA損傷の生成機構について議論する。

論文

Molar absorption coefficient and radiolytic yield of solvated electrons in diethylmethyl(2-methoxy)ammonium bis (trifluoromethanesulfonyl)imide ionic liquid

浅野 晃*; Yang, J.*; 近藤 孝文*; 法澤 公寛*; 永石 隆二; 高橋 憲司*; 吉田 陽一*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1244 - 1247, 2008/10

 被引用回数:25 パーセンタイル:82.53(Chemistry, Physical)

ナノ秒・ピコ秒パルスラジオリシス法を用いて四級アンモニウム塩の疎水性イオン液体(DEMMA-TFSI:N,N-Diethyl-N-methyl-N-(2-methoxyethyl)ammonium-bis(trifluoromethanesulfonyl)imide)中の溶媒和電子のスペクトル、生成と減衰挙動を観測し、電子捕捉剤(ピレン)との反応などを研究した。ここで、溶媒和電子のモル吸光係数が2.3$$times$$10$$^{4}$$M$$^{-1}$$cm$$^{-1}$$($$lambda$$=1100nm)、その分解収量であるG値が0.8$$times$$10$$^{-7}$$ mol J$$^{-1}$$を明らかにした。

論文

Picosecond pulse radiolysis; Dynamics of solvated electrons in ionic liquid and geminate ion recombination in liquid alkanes

Yang, J.*; 近藤 孝文*; 法澤 公寛*; 永石 隆二; 田口 光正; 高橋 憲司*; 加藤 隆二*; Anishchik, S. V.*; 吉田 陽一*; 田川 精一*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1233 - 1238, 2008/10

 被引用回数:25 パーセンタイル:82.53(Chemistry, Physical)

レーザー駆動型加速器を用いたパルスラジオリシス法によりイオン液体並びにアルカン中のピコ秒領域の反応挙動の直接観測に成功した。ここで、四級アンモニウムの疎水性イオン液体中ではそのイオン化によって電子が収量1.2$$times$$10$$^{-7}$$mol J$$^{-1}$$で生成し、3.9$$times$$10$$^{10}$$s$$^{-1}$$の速度で溶媒和することを明らかにするとともに、溶媒和前のドライ電子がビフェニルやピレンと3.8$$sim$$7.9$$times$$10$$^{11}$$L mol$$^{-1}$$s$$^{-1}$$で反応することを見いだした。また、n-ドデカンやn-ヘキサン中では電子の対再結合反応を523nmで観測した。

論文

X-ray absorption spectrum for guanosine-5'-monophosphate in water solution in the vicinity of the nitrogen K-edge observed in free liquid jet in vacuum

鵜飼 正敏*; 横谷 明徳; 藤井 健太郎; 斎藤 祐児

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1265 - 1269, 2008/10

 被引用回数:11 パーセンタイル:59.16(Chemistry, Physical)

水和構造を有するDNAの電子状態を調べるため、われわれは液体分子ジェット試料に対する電子分光が可能となる装置を開発し、高輝度放射光軟X線(SPring-8, BL23SU)に設置した。本論文では、初めて得られたDNAの構成成分に対する窒素K吸収端近傍における全電子収量の測定結果を発表する。グアノシン-5'-1リン酸の水溶液を試料として用い、真空中に導出した液体分子ジェットに対して、集光した「水の窓」領域に当たるエネルギーの軟X線ビームを水平方向から照射した。得られたスペクトルは個体薄膜試料のそれとよく似た形状を示したことから、グアニン塩基中にのみ存在する窒素周囲の化学環境は、塩基の疎水性のため周囲の水との相互作用により受ける影響は弱いことが示唆された。

論文

Can Monte Carlo track structure codes reveal reaction mechanism in DNA damage and improve radiation therapy?

Nikjoo, H.*; Emifietzoglou, D.*; 渡辺 立子; 上原 周三*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1270 - 1279, 2008/10

 被引用回数:54 パーセンタイル:95.02(Chemistry, Physical)

マイクロドジメトリーと飛跡構造シミュレーションは、理論的に放射線による生体分子損傷を吟味,理解するために用いられてきた。飛跡構造シミュレーションに基づくDNA損傷に関するわれわれの研究は、放射線の線量効果関係のメカニズム解釈の基盤となる、クラスター損傷の概念を提供してきた。さらに、われわれは、放射線生物学と医療の分野に、より正確な情報を提供するために、微視的な飛跡構造シミュレーションの精度の改良、及び細胞中でのDNAのより現実的なモデル化に努めている。本論文では、特に、放射線生物学上重要な低エネルギー電子と医療応用上重要な高エネルギー陽子線の飛跡構造計算,DNA損傷の複雑度の評価についての最近の研究について述べる。

論文

Temperature effect on the absorption spectrum of the hydrated electron paired with a metallic cation in deuterated water

熊谷 友多; Lin, M.; Lampre, I.*; Mostafavi, M.*; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1198 - 1202, 2008/10

 被引用回数:5 パーセンタイル:35.07(Chemistry, Physical)

水溶液の温度と塩濃度が水和電子の構造に与える効果を調べるため、リチウム塩及びマグネシウム塩(LiCl・LiClO$$_{4}$$・Li$$_{2}$$SO$$_{4}$$・MgCl$$_{2}$$・Mg(ClO$$_{4}$$)$$_{2}$$)の高濃度重水溶液中における水和電子の光吸収スペクトルを、パルスラジオリシス法により、25MPaの一定圧力,室温から300$$^{circ}$$Cまでの温度条件で測定した。水和電子の光吸収は、塩濃度の上昇に応じて、短波長側へシフトすると同時に、スペクトル幅を広げることが観測された。高温においても、塩の添加によるスペクトルのシフトは観測されたが、スペクトル幅の拡大は、温度上昇に従って減少した。この結果から、高濃度の塩は水和電子に対してイオン雰囲気を形成し、その光吸収を短波長側へ動かすだけでなく、水和構造に影響を及ぼし、スペクトル形状を変化させるが、高温条件下では、温度上昇に伴う密度の低下により、電子と周辺イオン間の距離が長くなり、水和構造に関する効果が観測されなくなるものと考えられる。

論文

Pulse radiolysis of sodium formate aqueous solution up to 400 $$^{circ}$$C; Absorption spectra, kinetics and yield of carboxyl radical CO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$

Lin, M.; 勝村 庸介; 室屋 裕佐*; He, H.*; 宮崎 豊明*; 広石 大介*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1208 - 1212, 2008/10

 被引用回数:24 パーセンタイル:81.47(Chemistry, Physical)

室温から400$$^{circ}$$Cの高温までの水の放射線分解反応をパルスラジオリシス法により調べた。試料には中性のギ酸ナトリウム水溶液をN$$_{2}$$Oで飽和したものを用いた。$$^{.}$$OH+HCOO$$^{-}$$$$rightarrow$$CO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$+H$$_{2}$$Oという反応で生成するCO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$の吸収スペクトルは温度上昇に伴って赤色シフトし、吸収極大波長は25$$^{circ}$$Cにおいては235nmであったのに対し、400$$^{circ}$$Cでは280nmであった。また、CO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$は二次反応で減衰し、その速度定数(2${it k}$/$$varepsilon$$)は温度上昇に対して単調な傾向とはならなかった。すなわち、(2${it k}$/$$varepsilon$$)は200$$^{circ}$$Cまでわずかに増加し、その後急激に減少し、300$$^{circ}$$Cで極小となった後、再び急激に増加する傾向が350$$^{circ}$$Cを超えるまで見られた。また${it G}$ $$times$$ $$varepsilon$$(CO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$)は温度上昇に伴って増加し、400$$^{circ}$$Cにおいては密度効果が大きかった。$$varepsilon$$(CO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$)が温度に依存しないと仮定することで得られる${it G}$(CO$$_{2}^{cdot}$$$$^{-}$$)の密度依存性は[${it G}$(e$$_{rm aq}^{-}$$)+${it G}$(H$$^{.}$$)+${it G}$($$^{.}$$OH)]の密度依存性とよく一致した。

論文

Laser photolysis and pulse radiolysis studies on Silybin in ethanol solutions

Fu, H.*; 勝村 庸介; Lin, M.; 室屋 裕佐*

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1300 - 1305, 2008/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:29.49(Chemistry, Physical)

本研究ではレーザフォトリシスを用いてシリビン(SLB)エタノール溶液中で生成される中間活性種について検討を行った。SLBに248nmのレーザを当て、高効率で一光子イオン化させた。中間活性種の同定のほか、一連の関連する反応論的パラメータも決定した。また、比較のため、パルスラジオリシスを用いて溶媒和電子を生成し、この溶媒和電子がSLBを還元させ、同様の観測を行った。SLBと溶媒和電子との反応速度定数は3.8$$times$$10$$^{9}$$dm$$^{3}$$mol$$^{-1}$$s$$^{-1}$$と評価され、これはレーザフォトリシスで得られた4.6$$times$$10$$^{9}$$dm$$^{3}$$mol$$^{-1}$$s$$^{-1}$$とよく対応していた。

論文

Ultra-fast pulse radiolysis; A Review of the recent system progress and its application to study on initial yields and solvation processes of solvated electrons in various kinds of alcohols

室屋 裕佐*; Lin, M.; Han, Z.*; 熊谷 友多; 作美 明*; 上田 徹*; 勝村 庸介

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), p.1176 - 1182, 2008/10

 被引用回数:18 パーセンタイル:74.54(Chemistry, Physical)

放射線誘起高速現象について調べるためにパルス-プローブ法で高時間分解能を実現した新たなパルスラジオリシスシステムを開発し、実際に利用を開始した。電子線線形加速器で発生した数ピコ秒の電子ビームパルスにはレーザフォトカソードRF電子銃が導入されており、これらは分析光となるフェムト秒レーザと同期させてある。これらの機器の間の同期精度は二乗平均平方根にして1.6ピコ秒まで改善された。レーザの基本波を白色光又は光パラメトリック増幅(OPA)に変換することで可視光から赤外までの広い波長域で分析が可能なシステムとなっている。

論文

Preface, ASR2007; International Symposium on "Charged Particle and Photon Interactions with Matter", November 6-9, 2007

勝村 庸介; Lin, M.; 横谷 明徳; 籏野 嘉彦

Radiation Physics and Chemistry, 77(10-12), P. 1119, 2008/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:83.51(Chemistry, Physical)

客員編集者としてわれわれはRadiation Physics and Chemistry誌の特集号を刊行する。内容は2007年11月6$$sim$$9日に茨城県東海村の日本原子力研究開発機構(JAEA)先端基礎研究センター(ASRC)で開催された「ASR2007; "荷電粒子及び光子の物質との相互作用"に関する国際シンポジウム」に併せたものである。

口頭

Preparation technique of fuel cell membranes having sulfoalkyl ethers by radiation grafting and nucleophilic addition

榎本 一之; 高橋 周一; 前川 康成

no journal, , 

量子ビーム及び有機合成技術を利用したグラフト鎖高分子変換反応により、新規スルホン酸構造を有するグラフト型電解質膜の合成法について検討した。具体的には、ポリ酢酸ビニルグラフト鎖をけん化することで得られるポリビニルアルコール(PVA)の求核付加反応に着目し、1,3-propanesultoneを作用することで、アルキルエーテルスルホン酸の合成を行った。機械特性や耐熱性に優れたETFE膜に対して酢酸ビニルをグラフト後、アセトキシル基を塩基条件下でけん化することで定量的にPVAグラフト鎖を得た。次いで、PVAと1,3-propanesultoneの求核付加反応は、トルエン溶媒中、塩基試薬にトリエチルアミンを用いて行った。PVAの求核付加に伴う1,3-propanesultoneの開環反応が進行し、70%の反応率でアルキルエーテルスルホン酸を与えた。赤外分光法を用いた構造解析により、アルキルエーテルスルホン酸由来のピークを確認した。SEM-EDS分析により、アルキルエーテルスルホン酸は膜中において均一に分布していることがわかった。上記反応で得られた電解質膜のイオン交換容量及びイオン導電性は、それぞれ、1.6mequiv g$$^{-1}$$, 0.12S cm$$^{-1}$$と、ナフィオンに匹敵する値を示した。

口頭

Hydroxyl radical in the radiolysis of water by energetic heavy ion

田口 光正

no journal, , 

高エネルギー重イオン照射は特異的な照射効果を引き起こすため、その特性を利用した基礎・応用研究が行われている。本研究では、照射イオンの核種やエネルギー,経過時間をパラメータとして、水中化学反応において最も重要と考えられている、水酸化(OH)ラジカルについて、(1)生成物分析と(2)パルスラジオリシスを用いて初期挙動の解明を行った。(1)生成物分析においては、フェノール水溶液にHe, C, Ne及びArイオンを照射し、生成物の収量から重イオン照射初期に生成した水酸化OHラジカルの収率を求めた。その収率は、水中における重イオンの比エネルギーの減少とともに減少すること,同一比エネルギー核種では原子番号が大きくなるにつれて小さくなること、さらに平均反応時間の経過に伴い小さくなることを明らかにした。(2)ラジカルの挙動を直接観測するために、高感度な過渡吸収システムを構築した。このシステムを用いて、KSCN水溶液へのHe及びC, Neイオン照射における、OHラジカルの反応によって生じる(SCN)2-の吸収測定に成功した。また、試料をN$$_{2}$$Oガスで飽和した場合、水和電子との反応の結果生じたOHラジカルの反応への寄与が観測された。

口頭

Degradation of hydroxymaleimide in 2-propanol by irradiation of $$gamma$$-ray and energetic heavy ions

中川 清子*; 田口 光正; 太田 信昭*; 広田 耕一

no journal, , 

ヒドロキシマレイミド(HMI)を2-プロパノールに溶かし脱酸素した後、大気圧条件で50MeV又は、100MeV Heイオン,220MeV Cイオン及び350MeV Neイオンを照射した。試料への入射エネルギーはセルの上部に150-1000$$mu$$mのアルミ箔を置くことで任意に減衰させた。照射後の試料はHPLCにより定性・定量分析を行った。HMIの分解率から見かけ上の分解収率を求めた。分解収率は入射エネルギーが増加するに従い増加した。この分解収率から分解の微分G値を求めたところ、微分G値はいずれのイオン種においてもLETの増加に伴い減少した。また、Heイオンで見られる微分G値のLET依存性カーブとCやNeイオンのカーブは重ならなかった。これは照射イオンの核種による効果が観測されたものである。

口頭

Radiation chemistry by positron annihilation methods

平出 哲也

no journal, , 

高エネルギー陽電子は、高エネルギー電子同様に、その飛跡に沿って絶縁物質中でエネルギーを周囲原子・分子に付与していく。飛跡の最後の部分には、多くのイオンと過剰電子が形成される。この領域はターミナル・スパーと呼ばれる。イオンとドライな(束縛されていない)過剰電子はピコ秒程度で再結合するが、熱化した陽電子も同様の時間でドライな過剰電子とポジトロニウムを形成する。このような速い反応はその後のいろいろな生成物の収量を決定する重要な過程である。このように、非常に速い反応を追うプローブとして陽電子は優れており、その特徴を活かした研究、特に放射線化学に関連した興味深い研究成果、例えばポジトロニウム形成に及ぼす電場効果などを紹介する。

口頭

Radiolysis of amidic extractants for the separation of actinides

須郷 由美; 佐々木 祐二; 田口 光正; 永石 隆二; 木村 貴海

no journal, , 

使用済核燃料中のアクチノイドイオンを選択的に分離するための抽出剤として有望なアミド化合物に、$$gamma$$線や電子線パルスを照射し、放射線による結合部位の切れやすさ,放射線分解に及ぼす希釈剤の影響、及び分解初期過程における反応メカニズムを明らかにした。さらに、エネルギーの異なる電子線やヘリウムイオンを照射し、放射線分解挙動が放射線の種類やエネルギーに応じて異なることを明らかにした。

口頭

DNA damage spectra for He ion beam and ultrasoft X-rays compared with that for Co-60 $$gamma$$-rays

赤松 憲; 藤井 健太郎; 横谷 明徳; 和田 成一*; 小林 泰彦

no journal, , 

この研究の目的は、Heイオンビーム,超軟X線によって引き起こされるDNA損傷を$$gamma$$線のそれと比較し、その違いを明らかにすることである。本研究では損傷の指標として、塩基の遊離,リン酸のある、あるいはない鎖切断末端,ピペリジン脆弱性塩基損傷を選んだ。Heイオンビームの線エネルギー付与(LET)は、80keV/$$mu$$m、超軟X線は270, 380, 435, 560eVの4点選択した。切断末端及びピペリジン脆弱性塩基損傷の定量は、発表者が開発した、ヘビ毒ホスホジエステラーゼ及びアルカリ・ホスファターゼを用いた方法で行った。その結果、リン酸がある鎖切断末端、及びリン酸がない鎖切断末端量の各々は線源間で有意な違いがないことがわかった。しかしながらピペリジン脆弱性塩基損傷部位に関しては線質間で違いが見られ、Heは$$gamma$$の場合より有意に多く、また、超軟X線では窒素吸収端のエネルギ近傍(435eVあたり)で最も少なくなる傾向が伺えた。このエネルギー近傍では塩基損傷の量が少ないか、あるいはピペリジン耐性の塩基損傷が生じている可能性が示唆された。

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